戦え!アルカイザー

日々のこととか、医療のこととか、社会のこととか

今年の目標

ついに1ヶ月以上開いてしまいました

いかんなあ

6月後半から緊急手術とか担当患者の急変とかでいろいろ疲れていたところもあるけれど

またちゃんとやっていかないと

反省

 

で、今さらながら今年の目標を決めましたので書いときます

JDLAのG検定に合格する

ついでに

AI実装検定A級に合格する

予定です

 

僕は資格試験みたいなやつは基本的に大嫌いで

信頼されている母体が主催しているもの、かつその資格が有効に働くものじゃなければ、試験受けるだけ金と時間の無駄だと思ってます

漢字検定なんてもはや趣味でしかないですし

TOEICは受験者が多いだけで何の意味も無いと思っています

僕は4年前に外科専門医の筆記試験、2年前に大学院試験を受けましたが

どちらも無駄な試験を受けさせられたような気でいます

専門医とか学位とかそんなんでその人の実力を推し量れるとでも思ってんのか、と

これだけ個人が世界中にコンタクト取れるようになってきているのに

なんの肩書き持ってるかなんて意味あると思ってんのか、と

趣味としての勉強ならいいと思うんですが

僕は無駄な勉強は嫌いです

 

そんな僕がなぜG検定、AI実装検定を受ける気になったか

それは

最終的にE資格を取得するくらいの実力をつけたいから

ということです

そのためのステップとしてのG検定およびAI実装検定です

さっきの母体の信頼性、資格の有効性の話と矛盾してるようですが

G検定、E資格を主催するJDLAというやつは

東大の松尾先生を中心とした組織で

日本のDeep Learning、AIに関する組織の中で最も信頼性が高く

今後の社会の変化を考えたら、その資格の知識は間違いなく有効に働く

と考えています

少なく見積もっても、日本外科学会外科専門医よりは価値のある資格だと思っています

 

で、調べてみたら

E資格はEngineer向け、G検定はGeneral向けらしく

いきなりE資格試験を受けるのはかなりハードルが高いみたいなので

ちょっとずつステップアップということで

まずはG検定を受けることにしました

さらに調べるとE資格試験は受験するにも条件があって

JDLAの認可プログラムを修了していないといけないらしいのですが

その認可プログラムのほとんどがべらぼうに高額で

安く済ますにはあらかじめAI実装検定A級に受かっとかないといけないそうです

なんかアホらしい設定な気がしますが

AI実装検定の勉強はG検定、E資格の勉強とかぶるところもあり、特に無駄にはならなそうなので

まあそれならいいか、と思い

今年中にG検定とAI実装検定A級に合格するという目標にしました

あわよくば今年度内にE資格も取得できたらなと思っていますが

まあ進捗状況によりますかね

 

以上、勉強がんばるための宣言でした

終わります

Raspberry Pi4(LABISTSのセット)を買ってみました

タイトルの通りです

 

ちょっと前に

「コンピュータシステムの理論と実装」

通称「Nand2Tetris」

という

オライリージャパンから出版されている本を買い

「PCについてきちんと勉強してやるぜ!」

という気持ちになり

「ラズパイいじりながらPCの理論を勉強したらちょうどええやん!」

と思ってラズパイの環境を整えようとしたんですけど

なんかいろいろ慣れない環境すぎて

「やっぱりそれぞれ別々にやろう」

という結論に至りました

 

というわけで

手持ちのMacBook ProでNand2Tetris

ラズパイはちょっと遊びながらプログラミング

という感じでいくことにしました

 

Nand2Tetrisはこれまで情報科学系の勉強とは無縁だった僕にとっては結構ハードですが

基礎からきちんと学べている感じがあって割と好印象です

一冊きちんと学び終わるのはいつになるのか

検討もつきませんが

とりあえず日中の業務の隙間時間に勉強してます

 

ラズパイに関しては

自宅のテレビと繋げてMinecraft Pi Edtitionとかやってみたりしてます

イクラはプログラミングも学べる、というのがいい点らしいですが

やることは本当にプログラミング入門という感じみたいですね

Pythonで建造物を作ったりするのは結構楽しい(かもしれない)し

4歳の娘の食いつきは今のところ上々なので

この調子で一緒にScratchとかも触るようにしていきたいです

ラズパイはいずれ娘の専用機に移行する気がします

 

で、ラズパイでマイクラとかScratchとか触ってて

ふと、これは僕が幼少期にやっていたスーパーファミコンマリオペイントのような感覚だな

と思いました

マリオペイントは2次元の絵

イクラは3次元(風)の建造物

という違いはあるけれど

Scratchは音楽もアニメーションも作れるし

やっていることは結構似ている気がします

 

マリオペイントがどれだけ知名度があるかわかりませんが

あの時代のスーファミにマウスを使ったゲームを導入した

ということだけでも、相当画期的なゲームだったと思います

かなりプレイ時間を費やした記憶がありますが

まともな作品を作った覚えはありません

ハエ叩きばっかりやってたような気もします

 

まあそれは置いとくとして

僕がプログラミングとかPCの勉強とかにそこまで抵抗がないのは

幼少期から知らず知らずのうちにそういうものに触れていたからなのかなと

思ったりしました

 

娘にも

外に出て遊ぶ時間も大切にしてもらいつつ

こういうゲームにどっぷりはまるのも

それはそれで全然アリだなと思います

 

パパもプログラミングやPCの知識で抜かれないようにがんばらなくては

 

終わります

ダブルハーベストとこれからのジョブ

読みました

相変わらず尾原さんの本は優しいけれど芯を食ったことを言っている

cinnamonも堀田さんも全然知らなかったけれど

ちゃんとチェックしていかんとなあ

ダブルハーベストの内容が具体的に僕個人の今後とどう関わってくるかは読めないけれど

何にしてもAIの素養は確実に必要だなということは理解しました

AIにデータ食わせてさらに精度を上げる話とか

ちゃんと機械学習の知識ないとよくわからんでしょうからね

 

さて

まあそんなこれからの事業や働き方について考えていて

なんとなく思いついたことをこれから書きます

医者=ファイナルファンタジーの魔道士的なやつ

という設定で考えてください

FFを全然知らない人はここで読むの終わってもらっていいと思います

 

おおざっぱに

臨床医を黒魔道士

研究医を白魔道士

としたら

これまでの医学界のやり方は

赤魔道士を育てるやり方だったんだろうなと思います

(※FF4-6あたりを想定しています)

赤魔道士は黒魔法と白魔法どちらもできることを理想としているけれど

どちらもラスボスに通用するようなものじゃない

ベテランの強い黒魔道士や強い白魔道士と一緒に戦うことで

サポート的に立ち回ることはできるけど

単体ではイマイチ役に立たない

現代の医学の世界は赤魔道士ばかり

中途半端な研究と中途半端な臨床を続けて

正直どちらも大したことない、という医者が多い気がします

学会の設ける制度的に黒魔法も白魔法もそこそこやらざるを得ず

どちらかに特化するのが難しい

いや、どちらかというと白魔法に特化するのはできるけど

黒魔法に特化するのは難しい

かな

 

僕の研修した病院はほぼ黒魔道士だけしかいなくて

それはそれでかっこいいと思ってましたが

医学界はそれだけでは許してくれず

しぶしぶ白魔法も少し覚えることになる

みたいな感じ

結局評価されるのは白魔道士

どれだけ白魔法が使えるか、が評価基準

もちろん、全盛期のテラ(FF4)みたいなオールラウンダーもいるけど

そういう人はかなり稀

 

全員が全盛期のテラを目指して

結局中途半端な赤魔道士を量産するより

純粋に強い黒魔道士や白魔道士を育てるほうが効率的だと思います

 

ただ、僕が思うに

これから現場に必要になるのは強い黒魔道士ではなく

もちろん赤魔道士でもなく

青魔道士だと思っています

ホワイトウインドやマイティガード、レベル5デス、アクアブレスなど

黒魔法でも白魔法でも対処できない

特殊な状況に刺さる能力

これほんまに魔法なんか?と思わせるようなやつ

 

現実世界において、交通に加えて通信のインフラも発達してきて

地域格差が減って

遠くの強い黒魔道士によって現場の問題を解決するようになってきたら

現場にいる赤魔道士達は不要になるでしょう

別の道を探さなければならないとなったとき

あらためて強い黒魔道士を目指すよりも

強い白魔道士

もしくは

強い青魔道士(もしくは時魔道士、召喚士)を目指すのが

生存戦略として正しい気がしています

だってすでに強い黒魔道士はいるから

その人らがあと10-20年くらいは働けるわけで

修行中の黒魔道士に出番はこないわけです

 

僕にとっての青魔法が

プログラミングだったりAI、機械学習の知識だと思って

現在勉強中です

 

わかりづらかったですか?

FF5は結局薬師が最強じゃないか?とか思いましたか?

 

はあ、そうですか

 

終わります

 

組織の改革とか事業の改革とか

また滞ってしまいました

いろいろ日々考えていることはあるのですが

文章にまとめるのはなかなか難しかったりして

ついサボってしまいます

反省

 

今日は組織の変革について、です

先日、2年前に勤務していた病院に外科医として戻ってきたわけですが

なんとなく外科チームの雰囲気がよくない

悪いってほどでもないけれど、微妙に噛み合ってないというかなんというか

表現しにくい違和感を感じました

長く勤務している他のドクターやナースから情報を聞き

実態がぼんやりつかめてきたので

詳細なことは適宜省きつつ、書こうと思います

 

簡単に言えば

やる気も体力もあって、そこそこ仕事もできる若手外科医A(30代)

が入ってきたことで

その病院に長く勤務してるおじいちゃんドクターで、やる気も体力もあんまりだけど、経験豊富なベテラン外科医B(50代)

の立場が追いやられてしまい

Bもちょっと萎縮してしまっている

という感じでしょうか

 

Aは2年前の僕からすると後任であり、今年度の僕からすると前任で

同じ研修病院でつらい外科研修を終えた後輩なので

Aの心境はよくわかります

「Bは仕事もしないし手術もそんなに上手じゃない!俺はこんなに働いているのに!そんなんで仕事してたら患者がかわいそうだろ!給料泥棒め、むきー!」

みたいなことでしょう

まあBはぶっちゃけコミュ障だし、手術症例も多い病院ではない(≒長く勤務していると外科医の腕としては落ちやすい)し、非がないでもないんです

より効率的にいい仕事をするならば

今よりもっと上手い業務分担の仕方はあるだろうし

場合によっては人を替えた方がいい、ということもきっとあるでしょう

とはいえ

「あんたのやり方じゃダメだ!こうしたほうがいいに決まってるだろ!」

ではうまくいきません

 

Bには外科医としての経験や、周辺地域からの認知度や信頼など

若手外科医の体力や勢いではなんともできない歴史を伴っているわけで

そこをうまく活用できるように業務分担を考えればいいわけです

Bは特に部下に口うるさく言ってくるタイプではないし

別に嫌われるような人間ではありません

うまく適材適所に配置すれば

まだまだ実力を発揮できる外科医だと思います

 

まあ本人ときちんとコミュニケーションをとりつつ

チームで協力して労働改善を図る

てのが最重要でしょう

 

で、思ったことは

これって事業の変革と似ていますね

新規事業が地域に根付くには

既存の事業との折り合いというか

双方が得をするような形でやっていかないとうまくいかないでしょう

 

タクシー業界とUberがうまくいかなかったような感じで

顧客としては明らかにUberを導入したほうが便利だけど

突然参入して客を持ってかれたら

もともとあるその地域のタクシー業界はかなりダメージを受けるわけですし

大きな反発を招きます

うまいこと溶け込むためには

既存の業界にきちんと根回しして

お互いにメリットがある形を一緒に探る形で事業を展開できたら

日本でも広がったんじゃないかなと思います

 

まあ既存の事業の実態が既得権益に縋りつく感じの腐った事業なら

きちんとぶち壊すのがいいと思います

組織においても「存在するだけで有害」みたいな

いわゆる老害丸出しのじじいどもが実在するではありますが

たいていのじじいは多少なりとも取り柄があるはずですし

要は使い方次第というか

適材適所に配置すれば解決することも多いので

全員が得するように改革できれば一番いいですね

 

僕はとりあえず

うまいことBを使う、というのが当面の目標ですかね

 

終わります

子どもの教育についてとか

すっかり更新が滞ってしまいました

一応無理のない範囲で書いていくつもりとはいえ

最低月に2回くらいは書こうと思っていたのに

先月は1回になってしまいました

 

まあいいや

次から頑張ろう

 

昨日新型コロナウイルスのワクチンを打ってきました

特に何の副反応も出てないですね

それはさておき、今日のお題は教育のこと

 

僕には4歳の娘と1歳の息子がいるので

子どもの教育についてはちょっと悩むこともあったりします

巷では

何歳までに英語やらなんやらやらせといた方がいい、とか

先取りで算数とか勉強させた方がいい、とか

まあいろいろあるようですが

僕の最終的な結論としては

子供が小さいときはどんな形であれ、親が積極的に接してあげるのが重要

なんじゃないかなと思っています

一緒に公園で遊んだり

話を聞いてあげたり

行きたいところに連れて行ってあげたり

悪いことは悪いと教えたり

良いところはほめてあげたり

そんなんが大事なのかなと思います

まあもちろんやりすぎはよくないし

いつまでもぐいぐい関わってこられても子どもも鬱陶しいだろうし

程よいところで、ということにはなりますが

 

算数やら英語やらは

たしかに我々親世代の教育課程にはかなり重要なものでしたが

今後もずっと重要かはわからないし

小さい時に頑張れば後々楽できる、みたいな考え方が通用するような未来ではないと思っています

仮に今みたいな社会がもう20年くらい続くと仮定しても

僕は大学時代に「大学受験用のお勉強ができただけのバカ」をたくさん見てきたので

我が子にはそんな人間に育ってほしくないなあと思います

頭の回転や吸収率がよければ、お勉強なんて大きくなってからがんばればできるだろうし

小さいときはもっといろんなものに触れて

いろんなものに興味を持ってほしいと思っています

未来を見据えて今を楽しまずに過ごすのがいいことだと全く思えないし

それでいて予想した未来が来ずに、努力が無駄になったりしたら

いたたまれないですよね

自分の子どもには常に「今」を楽しむ生き方をしてほしいなと思います

(とはいえ、多少は未来のことも考えてもらいたいですが)

 

そんなわけで、大阪を出て沖縄の田舎の方に引っ越したのは

割と正解だったんじゃないかなと個人的には思っています

鬱陶しい雑多な情報も少ないし

自然も多いし

 

まあそんなことを思いながらも

結局、子どもの成長に関わる親の要素って

本当はどれほどのものなんだろう

と思ったりもします

「親が子どもに与える影響は甚大である」

というのがもろもろの前提のような気がしますが

本当にそうなのかはよくわかりません

自分の実体験から振り返れば両親の影響は大きかったような気もしますが

仮に自分が全く別の環境で別の人間に育てられていたとしても

結局、今と同じような考え方の自分になっているかもしれません

証明のしようがないですよね

親がしっかり育ててあげないと、というのは

実は子どもに対してすごくおこがましい態度だったりするのかも

と思うこともあったりします

 

結局どうすべきかわからないことも多いですが

その都度自分の頭(と妻の頭)で考えて決めていきたいと思います

 

あとは

「学ぶ」「勉強する」という行為が子どもの時で終わるものだと考えている大人が多いのが

現代の我が国の教育における問題な気がしていますが

これについてはまた後日書いてみたいと思います

 

なんか散らかりましたが

終わります

外科救急におけるCOVID-19の影響

予定通り沖縄に引っ越してきました

2年前まで働いていた職場に戻ります

常勤は4月からになるので、3月までは非常勤として当直の仕事をやっていく予定です

 

で、先日早速1回目の当直に入ったのですが

86歳 女性、COVID-19っぽい肺のCT所見がある大腸穿孔の症例

が救急外来にきました

肺の所見に関わらず、腹部は緊急手術の適応であり、私はその時の外科当直であり

感染対策をフルで行った状態で手術をしました

全身状態も悪く、救命できるかどうかわからないぎりぎりの状態

成人の腹部手術なんて約2年ぶりでしたが

以前一緒に働いていた上司と2人で手術をしました

手術自体はなんとか大きな問題なく終えましたが

高齢であることや、穿孔後来院までにそれなりに時間が経っていたこと(+肺炎)などが影響し

術後数日で多臓器不全で亡くなってしまいました

高齢者の大腸穿孔は医療者がどんなに頑張っても救命困難な場合も多く

こういう経過を辿る患者さんも少なくないです

ただ、今回書きたいのは大腸穿孔の治療自体ではなく

COVID-19が疑われる場合の緊急手術適応患者についてなので

以下、それについてです

 

治療の際に行ったこととしては

・院内PCR新型コロナウイルスは陰性であったが、偽陰性の可能性もあると考え、感染対策はfullで行う

・手術には全身麻酔が必要となるが、気管挿管などの麻酔導入時にウイルスが排出される可能性があるため、導入は感染対策を万全におこなったICU(HCU)で行い、その後手術室に入室する

・麻酔導入は必要最低限の人員で行う

・手術の際は、感染制御のためキャップやゴーグル、N95マスク、ガウンを着用した上で、サージカルガウンを着用、手洗いを行う(=手術中めちゃくちゃ暑い)

・術後も患者の周囲はカーテンで仕切り、カーテンの中に入るには完全防護が必要(=医師が気軽に近づいて診察したり呼吸器条件を変更したりできない)

などなど、とても大変でした

手術時間は2時間強でしたが

麻酔導入からICU帰室まで、実質6時間ほどかけて処置をおこないました

その間の病棟のコールには対応できず

救急外来からのコンサルトも対応できず

ひたすらつきっきりで診療していました

その後夜間も数時間おきに採血結果を確認し

輸血や薬剤調整などを行う必要があり

大学院休学で外科の仕事からしばらく離れていた身としては

かなりの疲労感を感じました

 

正直、COVID-19患者の対応に外科が関わることはあまりなく

気管切開の際に出番があるくらいだと思っていたのですが

(むしろ、感染対策のため日常の診療は制限され、業務負担は軽くなることさえあったはず)

COVID-19疑いの手術適応患者が1人来院するだけでこれだけの人数と時間をとられてしまうのか

そりゃあ医療崩壊するな

と実感した次第です

 

今後こういったシチュエーションは増えていくと思われますが

この対応を続けていかなければならないのでしょうか

いい落とし所はあるんでしょうか

 

終わります

市中の病院における新型コロナ患者の対応について

最近のメディアの論調的に

日本には病院や病床はあるのに新型コロナの対応をしてないところが多い

そういう病院にきちんと対応してもらう必要がある

みたいな報道をしていることが多い気がします

今日はちょっとそのへんの話

 

僕もバイトしていたときは

「〇〇病院もちょっとはがんばれや」

という気持ちになることは多々ありましたが

新型コロナに関してはそういう思いにはなれません

 

なぜかというと

このブログで何度か書いたように

救急外来を外部の人間に頼っているような小規模の病院が多い

ということが理由として挙げられます

その病院の常勤の医師だけでは救急外来当直を回すことができず

派遣会社から外部の医師をあててもらってなんとかやりくりしているような

普段から人手不足な病院が多いということです

新型コロナ患者を受け容れることになれば

院内の感染対策をかなり厳重にやる必要が出てきます

そんなん当たり前やん、と思うかもしれませんが

外来の段階で新型コロナ感染者(疑い含む)をはじいて、院内に入れないようにする(他院に紹介する)ほうが

感染対策として人手も手間もかからず、確実性が高いです

まあそれでも院内の感染対策は必要ですが

明らかに感染力を持った患者が院内にいるのといないのとでは

対策はかなり変わってくるでしょう

 

じゃあこれまで新型コロナの診療をおこなっていなかった病院が

新型コロナ患者の受け容れを始めたら

何が起きるでしょうか

 

まず、当直も自院の医師で回せないような人手不足の病院で

新型コロナ対応専門の部署を作るのは

かなり難しいと思われます

看護師も小規模の病院では

今日は3階病棟、明日は救急外来、その次はCT室

みたいに流動的に配置されることも多いです

こんな感じの一部署として新型コロナ対応させてたら

そりゃあ院内クラスター起きるわな

って感じですよね

本当に感染対策を考えるならば

新型コロナ対応専門の部署を作るのはほぼ必須と思われますので

今まで看護師を流動的に配置していたところを固定せざるを得なくなり

この時点でだいぶ無理がきます

医者も普段から複数の病棟を行き来しているので

新型コロナ対応の医者は新型コロナ対応の病棟はりつきにしておくほうが無難でしょう

これは医者の日常業務に欠員が出るのと同じなので

それ以外の医者の負担増加にもつながります

 

で、無事新型コロナ対応専門の部署ができ

日中は医者も看護師も人員確保できたとしても

その人たちで24時間365日ぶっ続けで対応するわけにはいかないので

夜間や休日の対応を考えることになります

マニュアルやフローチャートを作ってそれ通りにやってもらうんでしょうが

感染対策にはチームとしてきちんとやり方を共有するのが重要です

いきなり来た外部の当直医師と

夜間や休日に出勤している数少ない看護師で

本当に効果的な感染対策なんてできると思いますか?

 

ていうかそもそも、外部から来ていた医師は

新型コロナ患者を本格的に受け容れ始めた、と知ったなら

救急外来のシフトに入らなくなるでしょう

外部の医師に感染リスクを取って新型コロナ対応する責任なんてありませんので

「だったらバイト入りません」

てことになります

そうすると救急外来当直が回らなくなります

つまり、日常業務が破綻していきます

 

他にも

医者の質も様々であり、COVID-19に対してまともな診療ができる医者は限られている

などなど問題点はいろいろあります

「病院も病床もあるんだから頑張って受け容れなさい」

という論調はかなり横暴で

医療崩壊を惹起しかねない意見です

 

現場で診療したこともない非医者のジャーナリストもどきや

ほとんど現場に出てないくせに知った風の口を聞く非臨床医に

偉そうにメディアで発言してほしくないなあと思います

 

まあ小規模の病院が多すぎることがそもそもの問題で

既得権益老害となった医者どもを黙らせて

どんどん統廃合を進めておかなければならなかったではあるので

そういう病院にも責任はあるのですけど

 

何にしても

メディアに出て発言する人は

きちんと選んでキャスティングしてほしいものだなと

 

終わります