戦え!アルカイザー

日々のこととか、医療のこととか、社会のこととか

外科という組織の脆弱性

そろそろ2月も終盤

僕の勤務する病院でも、来年度にむけての人事が明らかになってきました

科内のナンバーツーにあたるドクターが3月で異動になるそうです

鏡視下手術(腹腔鏡や胸腔鏡を用いた手術)が得意な先生なので

「この先生がいないからこの手術ができない」という事態になり得ます

当院において、来年度は鏡視下手術が減ることが予想されます

 

 

確かに鏡視下手術にはトレーニングが必要だし

症例数を経験しないとできるようにならないのは間違いないです

「腹腔鏡・胸腔鏡を使わないと絶対にできない手術」というものは無いと思われますので

基本的には、腹腔鏡・胸腔鏡を使わなくても、開腹・開胸で同等の治療効果のある手術はできます

きっと来年度以降は

「今までは鏡視下手術だったけど、これからは開腹・開胸でやります」

という手術が増えるでしょう

患者としては

「やったことないけどやってみます」

と言われるより

「傷は大きくなるけど開腹(開胸)手術でやりましょう」

と言われるほうがいいでしょうね

 

ただ

誰か1人いなくなったら医療のレベルが保てなくなる

ってあまりにも組織として脆弱じゃないですか

これって「そういうものだからしょうがない」で済ませていいものでしょうか

医局に入る若いドクターもどんどん減り

特殊な技術を習得する人間が減っていくと予想される中で

そんな対応でいいはずないと思います

 

難易度の高い手術、できる人が限られる手術だからこそ

ロボット手術ができるように、遠隔手術ができるようにしていく必要があります

手術ロボットを用いて遠隔手術ができるようになれば

全国一律でほぼ同レベルの治療を行うことができるようになります

 

かなり急務だと思うのですが

教授と言われるような偉い人たちはどう考えているのでしょうか

 

終わります