去年の4月に大阪に戻ってきて
大学医局というもののくだらなさ、時代錯誤感を痛感しているところに
長男の病気が発覚したこともあり
来年度は沖縄に戻ろうかと思っています
2年前まで勤務していた総合病院に
一般外科医として復帰する予定です
戻る先の病院は慢性的に人手不足なので
外科医が来ることは基本的にいつでも歓迎してくれるし
大学教授にはこの前お別れの挨拶に行ったので
もはや自分のタイミングで移住すればいい感じです
年明けくらいの転居を予定しています
ストレスなく、自分の時間も確保しやすい病院なので
家庭を優先しつつ
プロエンジニアになるべく努力していこうと思います
さて、今日は大学医局ってやつについてです
医局ってのは主に臨床医による組織、団体で
大学の特定の診療科の教授をトップとして
大学附属病院や関連病院におけるその診療科の医者たちをつなげるコミュニティです
場合によっては、規模の小さな大学の診療科が、規模の大きな大学医局の傘下に属することもあります
トップである教授の意向により人事が決定することが多く
下々の者たちは教授のご機嫌をとりつつ、異動の辞令が来ないかひやひやしてたりします
また、大学医局というものは臨床医のコミュニティですが
臨床医が論文と学会発表で評価されるという世の中の風潮もあり
教授は下々の者たちに常に研究をして実績を出すよう促します
ていうか、その風潮を積極的に作り出しているのが大学医局であり
中途半端な臨床研究医を増やす原因になってると思うので
僕としては本当にやめてほしいなと思うところではあります
で、医局の問題点はいろいろあると思いますが
一番は
問題のある医者をやめさせられない
ということなんじゃないかなと個人的に思っています
医者の中には
診察や病状説明が下手な内科医や
手術が下手な外科医もいますが
僕は別にその辺は大きな問題ではないと思っています
医者の仕事っていろいろあるわけで
技術的にうまくできなくても、それ以外にちゃんとできる部分があれば
全く問題ないと思います
診察や病状説明が下手でも内視鏡検査は上手かもしれないし
手術が下手な外科医なら、簡単な手術だけやって外来や病棟の仕事に専念すればいいし
臨床のことは何やってもだめなら研究に専念したらいい
いくらでも役に立つ道はあります
問題は
いわゆる「人として問題のある人」が臨床医で居続けること
だと思います
普通の企業なら
問題のある人間は解雇しますよね？
いまや終身雇用なんて守れるわけないし
チームと協力できない人間は解雇されて然りです
それが、医者の世界では守られるんです
人命のかかった責任の重い立場なのに
問題を起こしても、なんとかして医局はその人を守り
場合によってはうまいこと地方大学のそれなりのポストを用意して
そこにあてがったりして医者を守るんです
(もちろん刑事罰になるような事案は別ですが)
なぜ解雇しないんでしょうか？
よく挙げられそうな理由を考えてみました
・医局員が少なく、解雇した時の替えがきかないから
そういう医局もあるでしょう
ただ、正直いないほうがいいというレベルの医者も守られています
問題のある人間1人解雇したとしても、業務は普通に回ると思います
ちなみに、僕の働いていた沖縄本島の病院の業務量と医者の数を考えたら
大阪の病院では医者が余ってます
マンパワーに余裕ないなんてうそだろ、と思ってしまいます
・人事が下手くそだから
これは十分にあります
教授という立場は、論文などの研究実績に加え、人徳なども加味されて選ばれますが
人事力などの、組織に上に立つ人間としての素質については問われません
「あの人はいい人だけど教授の器ではないなあ」
という事態がみられてもおかしくないです
現にそういう教授もいます
・医局をやめたらその人が働けなくなるから
これはうそです
今の時代、医局をやめても医者として普通に稼げます
まあやめさせられるようなコミュ障の人がやっていけるかはわかりませんが
それは自己責任でしょう
他にもいろんな事情があるのでしょうが
大企業の終身雇用によって
採用後に大した努力をせずに腐っていくおじさんたちがいるように
大学医局にもぬるま湯に浸かり続けて腐っているおじさんはいます
あまりに厳しくするのもどうかと思いますが
やめさせられる可能性もある
というのをちらつかせないと
腐っていくおじさんは減らないんじゃないかなと思います
そしてその腐ったおじさんたちをみて
「こんなとこにはいてられないな」と思って出て行く若手を止められないでしょう
医者の世界でも
医局をやめたり移ったり、というのが普通になっていけば
また事態は変わっていくのでしょうか
まあ僕にはもはや他人事な感は否めませんが
終わります
