戦え!アルカイザー

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最後のバイト

本日で当直バイトは最後です

4月から12月までバイト生活してきましたが、ようやく終了です

まあ来年4月までは、次の勤務先の当直要員になるわけなので

実質バイト生活みたいなのは続きますが

大阪の救急外来からはおさらばできます

結構ストレスフルでした

とはいえ

常勤にならなくても週に2-3回当直バイトをしたら余裕で家族を養える

ということがわかったので

いい経験ができたなと思います

 

ふりかえって

やはり救急外来の当直は外部の人間で回すようなものではなく

その病院や周辺地域の特徴を知った人間がやるべきだと思いました

 

どうしても人手が足りず、外部の人間に当直を頼らざるを得ない状況なら

救急外来は閉めて入院患者の対応のみにするか

受け入れる患者を限定する(かかりつけ患者のみ対応する、発熱あれば対応しない、など)か

病院が決定した方がいいと思います

当直した医師の裁量で診るか診ないか判断するのは

ちょっといただけないなあと思います

 

「救急外来のバイトなんて金のためにやってるだけ」という医者が

全患者対応しない、救急車も全て断る

という対応をしたとしても

全く責められることはないわけで

やる気のある医者が患者を多くとって、その中で医療過誤があったら

その医者個人の責任になったりする

なんかシステムとしておかしくないですかね

 

常勤医師が、通常業務の一環として当直をしていて

その中でミスがあれば

きっと病院側がサポートしてくれるでしょう

たぶん相当初歩的なミスだとしても

雇っている側がいろいろやってくれるはずです

(その医師に悪意がなければ、の話ですが)

まあそういう保険が無いと研修医は仕事できませんし

それはそれでいいです

 

バイトの医者には基本的にそういった後ろ盾が無いです

(もちろん個人で保険に入っていますが)

おそらく病院は、何か医療過誤が起こった場合

「いや、それは当直のバイトの医師がやったことなので」

みたいにして

バイトの医師個人の責任にするでしょう

それはそれで病院のリスクマネジメントだと思いますが

それならバイトの医師はどんどんリスクを取らなくなっていく(=患者を診なくなっていく)だろうし

救急車をどんどん断ってもしかたありません

当直医師に断る権利があり、病院が患者拒否を禁止していないうえに、何かあった時に後ろ盾となってくれない以上

病院が外部の医師に文句を言う筋合いはありません

 

では「外部の人間が当直している病院であれば救急対応を断ってもしかたない」とするならば

救急車はどこへ行けばいいんでしょうか

結局、自分の病院の常勤医師で救急外来業務を回せている地域中核病院に行かざるを得ないんじゃないでしょうか

だとしたら

ここが患者の受け入れを断る、というのは

基本的に禁止した方がよくないですかね

そういうでかい病院が断った患者を

地域の小さい病院で当直している僕が受け入れる、という状況を

何度となく経験し

「大阪の救急外来しとる医者は終わっとんな」と

はじめは憤りを感じていましたが

今は医者というよりも

地域のシステムに問題があるんだと理解しているので

さほど腹は立たずに対応しています

 

まあそんなことは思うものの

僕は大阪を去るわけで

もはや関係なくなりますけどね

 

あとはどんな地域でも言えることだと思いますが

医者のレベルはやはり個人によってピンキリであり

「こいつまじかよ」みたいな治療やカルテ記載をしている医者はごろごろいて

そんなやつを主治医に持った患者さんはかわいそうだなと思うことも多々ありました

まあ詳細は書きにくいので書きませんが

権威だからとか、大きな病院だからとか

そんなんは医者個人の臨床能力とは本当に全く無関係なので

患者さんは

「あれ、本当にこれでいいのかな」と思ったら

主治医を替えてもらうほうがいいかもしれません

セカンドオピニオンとかは積極的に利用したらいいでしょう

ついでに

高齢で経験豊富そうだから、というのも

その医者を信用する理由にはなりません

医者歴が長くても臨床能力が全然無い人間がいる

ということが

大阪に来てからの経験でよくわかりました

 

沖縄には幸い、救急車を断るという文化が希薄なので

救急のシステムで腹立つことはあまり無いでしょう

来る患者を全て診ればいいだけなので

あとは

僕が主治医となった患者さんにはちゃんとした医療をしてあげよう

という気持ちを固めつつ

来年度を迎えようと思います

 

終わります